童謡は、大正時代に、
「もっと自由で豊かな、子供の心に響く音楽を」ということでつくられ始めたとのことです。
そして、その時代に一流と言われた詩人や作曲家の人達がたくさんの童謡をつくったそうです。
このことは、外国の人たちに随分驚かれたようです。
すばらしい文化財である童謡を歌い継いでいきたいと思い、
コンサートのプログラムに、できるだけ童謡を入れるようにしています。
子どもの頃の思い出が鮮やかに蘇ってきたり、涙があふれたり…
それぞれの方が様々な想いとともに、聴いてくださるようで、大変嬉しく思っています。
前回のコンサートでは、「野口雨情による童謡メドレー」を歌いました。
♪証城寺の狸囃子 ♪あの町この町 ♪十五夜お月さん ♪七つの子
4曲目の「七つの子」ですが、
「七つ」というのは、7歳だとする説と、7羽だとする説があると言われています。
カラスについて詳しい方たちは、いろいろ気づかれることもあるだろうと思います。
私は、毎日、家の前の電柱で鳴いているカラスたちの声を聞いて、
それぞれに声と鳴き方が違っていて、おもしろいな~、かわいいな~と思っているくらいで、
カラスのことをほとんど知りません。
ですから、この歌は、
「カラスは、どうして鳴いているの?」と子どもに尋ねられたお母さんが、
「それはね、山に、(あなたと同じ)7歳の子がいて、その子のことを、“かわいい、かわいい”といって鳴いているんだよ。山の古巣へ行って、見てごらん。(あなたと同じ)まるい目をしたいい子だよ」
と、カラスの親子の物語をつくったような感じで答えているのではないかな…と思っています。
子どもたちは、つくり話をしてもらうのが大好きですし、
そこに自分、あるいは、自分とよく似た登場人物が出てくれば、大喜びです。
さらに、
カラスのお話を通して、お母さんが子どものことを
“かわいい” “いい子”だと思っていることが伝わり、お母さんも子どもも幸せ・・・。
そんな親子の「愛の歌」だと思いながら歌っています。
嫌われ者になりがちなカラスが、愛にあふれる主役になっているところもいいなぁ、と思っています。
童謡は「愛の歌」。
子どもたちへの愛を込めてつくられたものであり、
歌詞の内容も、
家族をはじめとした周りの人への情愛やふるさとや思い出の地などに対する愛にあふれています。
今、一般的には「子育ては難しい」と言われていますが、
もともと日本の人の中にあった
子どもたちを尊重し、対等の“人”として向き合うことを取り戻すことができれば、
問題とされていることのほとんどは、問題ではなくなるように思います。。。。。