修了式の日、
“子どもたちと過ごす生活にピリオドを打つ・・・”
ということを、とても穏やかな気持ちで受け止めていました。
修了式の前に、清掃の時間がありました。
清掃活動というのは、子どもたちの素の姿が現れやすいです。
「きれいにするのって、気持ちいい」
そんな思いで取り組んで欲しいと思ってきました。
でも、修了式前の清掃の時間、
子どもたちの様子が変でした。
どの子も、落ち着きがなく、
時には、他の子とぼそぼそと話をしている…
ロッカーの中を気にし、
私の行動に注目しているように感じることもありました…
ああ、最後の清掃活動がこの状態って…
子どもたちに、掃除の大切さや楽しさを伝えられなかったんだな。。。。。
まあ、
自分にとって、教員として子どもたちと過ごす最後の時間だからといって、
子どもたちに理想の姿を見せて欲しいと思うのは、自分勝手過ぎるわ。。。。。
そんなことを考えながら修了式の会場へ向かいました。
修了式が終わり、
学級の時間になりました。
最後の学級指導ということで、
準備を念入りにして行ったと思います。
でも、何を話したのか、今となっては全く覚えていません。
この後の子どもたちの行動によって、
他の記憶はどこかへとんでしまったようです。
* * * * *
学級指導が終わって、「さよなら」のあいさつをした直後、
子どもたちが、お互いに声を掛け合って、教室の後方に並びました。
学級委員が前に出て、全員で
「先生、1年間ありがとうございました」・・・
担任である私に感謝の気持ちを伝えたいと、みんなで相談して、
ひとりひとり手紙を書いて渡そうということになったそうです。
それぞれ自分で準備した封筒を手に持ち、
一人一人お礼を言いながら渡してくれました。
「 ああ、これがロッカーに入っていたんだ。
だから、私に見つからないように、気にしていたわけね…。
小学校4年生の子たちが、
他の先生に相談することもなく、自分たちで準備したことだから、
いつ手紙を渡したらよいかわからずに、
朝からずっとタイミングをうかがっていたんだ…」
朝からの子どもたちのすべての行動が腑に落ちました。
数日前から相談して、手紙を書くと決めたものの
男の子の中には、レターセットを持ってないという子たちもいたそうで、
そういう子たちには、他の子が分けてあげたそうです。
そして、全員渡すことができるように、
お互いに出来上がったかどうかを確認し合ったりもしたそうです。
この時、子どもたちは、私が退職することは知りませんでした。
「1年間担任してもらったお礼をしたい」
そんな純粋な気持ちから、自分たちで考え、行動に移したようです。
笑顔いっぱいの子どもたちが、キラキラ輝いて見えました。
そして、
私にとって、これは子どもたちから贈られた
「卒業式」
だと感じました。
素敵な卒業式をありがとう。。。。。
最高に幸せでした。。。。。